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まだ夢をみている


まだ夢をみている
その言葉から
そのしぐさから
その放つ光から

まだ夢をみている
君の望みから
君の諦めから
君の愛する何かから

まだ夢をみている
遠い遠い果てから
長い長い暗闇から
深い深い底から

まだ夢をみている
一杯の水から
一本の枯れ木から
ひとりきりの君から

まだ夢をみている


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01:12 | コトノハ | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

正体


きみがなにを考えているのか

ぼくにはわからない

でも、きみのたましいのありようは

なんとなくわかる

きみがそんなに固くこわばっているのは

やわらかなそのたましいを

何かから必死に守っているから

その何かを

その正体を

できることなら

ぼくは知りたい

00:24 | コトノハ | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

生きてる痒さ


生きてると、たまに生きてることそのものがむず痒くなる。
僕らはそれをなんとかしてカタチに現そうとする。

死にたくなるような時もたまにあるが、
別に自分の意思で生まれてきたんじゃないように、
自分の意思で死ぬのもなんか違うような気が今はする。

エンジン付きの自動車で壁に突っ込むような、
そんなハッキリとした意思で生きてきたのでは元々ないし、
泡が生まれて、漂って、そしていつか消えていくような。
そんなものではないかと感じる。

自分に意思のようなものがあるとすれば、
それは生まれて消えていくまでのあいだの、
漂うことを自覚している感覚なのかもしれない。

意思はあんまりないがエゴはある。
まったくどうしようもないな。

19:53 | コトノハ | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

こころおと

◯心 音


夜の深い時間

不思議な悲しみに包まれている

遠い とてもなつかしい悲しみ

人はこの世界に生れ落ちるとき

とても悲しい気持ちなのでないか

とてもやりきれないような

新しい世界に恐れを抱くような

途方もない悲しみの中にいるのではないか

そして母親の鼓動の代わりに

肌の暖かさとまなざしと声によって

その悲しみは水のように透明になり

光へと導かれる

愛は何?

愛は産まれたとき 誰でも知ることなのだ

愛は何?

一番はじめに感じて忘れていくもの

みんなが忘れている力は

忘れているだけで依然として作用し

僕みたいな はぐれた生き物に

ときどきふいに姿を見せたりする

凍っているものが溶けはじめる

古い古い言葉が目を覚ましはじめる

始まる前は悲しいものなんだ

新しくなるための

忘れた力による悲しみ

限りなくめぐり もどり まためぐる

心 音


22:28 | コトノハ | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

古い記憶の中の朝

いつだったか、ずっと昔、
まだとても幼い頃、
どこかの漁師町の小さな港で、
水あげされたばかりのシラスを煮立てている、
色の白いおばあさんをずっとみていた記憶がある。

煮たての、
たくさんのシラスから立ち上る大きな湯気に、
昇ったばかりの日が射していて、その光の中で、
おばあさんが黙々と仕事をしている。

おばあさんが動くと、長い長い群青色の影がゆれて、
その影の先が僕のすぐそばまできている。

透明な青い朝と、湯気と、おばあさんの身体の動きと白い顔。
おばあさんが何をしているのかなんてさっぱりわからなかった。
いや、わかろうともしなかったな。

ただ、今の自分の感覚でいうとそこは時間が止まったようになっていて、
ぼくはその中で動くことができず、
なぜだか理由のわからないかなしみのようなものがこみ上げてきて、
泣きたくなった。

この人生に出発点があるとしたら、
たぶん、あそこだな、と
ふと思った。


04:06 | コトノハ | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑